【商標権等の侵害について】越谷の弁護士|五十鈴総合法律事務所
2023/02/13
越谷の弁護士、五十鈴総合法律事務所です。
商標法は、商標権の侵害について、次のように定めています。
(差止請求権)
第36条 商標権者又は専用使用権者は、自己の商標権又は専用使用権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
2 商標権者又は専用使用権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができる。
(侵害とみなす行為)
第37条 次に掲げる行為は、当該商標権又は専用使用権を侵害するものとみなす。
一 指定商品若しくは指定役務についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品若しくは役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用
二 指定商品又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品であって、その商品又はその商品の包装に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを譲渡、引渡し又は輸出のために所持する行為
三 指定役務又は指定役務若しくは指定商品に類似する役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを、これを用いて当該役務を提供するために所持し、又は輸入する行為
四 指定役務又は指定役務若しくは指定商品に類似する役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを、これを用いて当該役務を提供させるために譲渡し、引き渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために所持し、若しくは輸入する行為
五 指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をするために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を所持する行為
六 指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をさせるために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を譲渡し、引き渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために所持する行為
七 指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をし、又は使用をさせるために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を製造し、又は輸入する行為
八 登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を製造するためにのみ用いる物を業として製造し、譲渡し、引き渡し、又は輸入する行為
商標権者又は専用使用権者は、自己の商標権又は専用使用権(以下、「商標権等」といいます。)を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防、さらには侵害行為を組成した物の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却、その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができます。
商標権等の侵害行為とは、他人の登録商標をその指定商品又は指定役務について使用する行為、及び、他人の登録商標を類似する範囲で使用する行為(37条各号)をいいます。商標権等を侵害するものとみなされる行為を掲げている37条の一号から八号では、登録商標との類似と指定商品又は指定役務との類似が要件とされています。
商標の類否の判断基準について、最高裁は、「商標の類否は、対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその商品の取引の実情を明らかにしうるかぎり、その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当とする。」としたうえで、「商標の外観、観念または称呼の類似は、その商標を使用した商品につき出所の誤認混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず、従って、右三点のうちその一において類似するものでも、他の二点において著しく相違することその他取引の実情等によって、なんら商品の出所に誤認混同をきたすおそれの認めがたいものについては、これを類似商標と解すべきではない。」(最判昭和43年2月27日。本判決は商標の登録要件(商標法4条1項11号)における商標の類否を問題としたものですが、その後の数々の侵害訴訟においても類否の判断基準とされています)と判示しています。
「外観」とは、商標の外観的形象のことでありいわゆる見た目を、「観念」とは商標を構成する文字・図形・記号又は色彩などから生ずる意味内容のことでありいわゆるイメージを、「称呼」とは商標の呼び方・発音のことでありいわゆる聞こえ方を意味します。
商標の類否は、需要者の通常有する注意力を基準として判断されます。需要者の属性、例えば専門家か否か、大人か子供か等によって通常有する注意力が異なってくるため、結論も異なってきます。
指定商品又は指定役務との類否については、次回以降に解説します。
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