【中小企業等の事業承継の円滑化のための遺留分制度の特例について】越谷の弁護士|五十鈴総合法律事務所
2023/03/14
越谷の弁護士、五十鈴総合法律事務所です。
中小企業の経営者や個人事業者(以下、「経営者等」といいます。)は、個人資産として自社の株式や事業用資産(以下、「株式等」といいます。)を有することがほとんどです。このような経営者等に相続が発生した場合に民法の相続法をそのまま適用してしまうと、株式等が複数の相続人に分割されるおそれが生じます。そのような不都合を回避するために遺言によって株式等を後継者に相続させることになりますが、他の相続人から遺留分侵害額の請求をされると、場合によっては株式等を換価する必要が生じ、ひいては経営の承継の円滑性を阻害してしまうことになります。
そこで中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(いわゆる経営承継円滑化法、以下「法」といいます。)では、一定の要件の下で後継者が先代の経営者等から承継した株式等を遺留分を算定するための基礎財産の価額に参入しない等とすることで、株式等を後継者に集中させ、経営の承継の円滑化を図っています。
具体的には、後継者及び遺留分を有する推定相続人全員の間で、後継者に贈与された株式等の全部又は一部について、書面により、
①遺留分算定の財産価額から除外する合意(除外合意、法4条1項1号)
又は
②遺留分算定の財産の価額に参入する価額を合意時の時価に固定する合意(固定合意、会社のみ、法4条1項2号)
を成立させます。
次に合意成立日から1か月以内に経済産業大臣の確認の申請を行い、経済産業大臣の確認を受けます(法7条)。
そして、経済産業大臣の確認を受けた日から1か月以内に家庭裁判所の許可を申立て、家庭裁判所より許可を受けます(法8条)。
以上の手続きにより合意の法的効力が発生し(法8条1項)、後継者への株式等の集中的な承継の実現が可能となります。
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